地デジ・アンテナ工事詐欺に注意

あと 3 週間後に迫ったアナログ放送の停止．32 インチで 3 万円台という最近のテレビ本体の値下がりを見ると，停波直後の多少のゴタゴタはあるにせよ，おおむね成功しそうな気がする．

大手価格情報サイト「価格.com」によると、2011年5月27日21時現在、ソニーが4月17日に発売した最新モデルの32インチ液晶テレビ「BRAVIA KDL-32CX400」が3万6999円で販売されています。
http://gigazine.net/news/20110528_bravia_kdl_32cx400/

しかしながら，アンテナ工事に関連して，詐欺的な案件を身近でも見聞きする．電器店にアンテナ工事を依頼に行くと，妥当と思われる金額の 10 倍以上がかかるプランをお勧めされたり，契約してしまったりすることがある．

Case 1:

一戸建てでアンテナを上げてアナログ VHF 視聴中．地デジ化したい．

私が妥当だと思う工事は，

UHF アンテナに交換．屋内配線は再利用．

例えば，ビックカメラの「一戸建用キャンペーンセット (1) 屋根上 20 素子アンテナ」16,880 円でカバーできる工事に思える．

ところが，お勧めされた工事は，

アンテナ工事 4 〜 10 万円

または

フレッツ・テレビの導入＋ 1 台の配線工事 -> 工事費 1 万円弱 + 月々 682.5 円 (フレッツ光は利用中)

アンテナ工事ボリすぎ．まあ現地を見るまでは安全を見て多めに言うというのはあるでしょうが…
フレッツ・テレビはさらに問題が大きい．仮に 20 年使うとして，20 年間の支払い総額はアンテナ工事だと 1.7 万円のところ，フレッツ・テレビは約 17 万円と 10 倍にもなる．

フレッツ・テレビ光で地デジキャンペーン
http://flets.com/ftv/camp/?link_id=ftvcp_b

Case 2:

一戸建てでアンテナを上げてリビングで地デジ視聴中．寝室のテレビも地デジ化しようとした．

私が妥当だと思う工事は，

2 分配器の設置 + 数メートルの同軸ケーブル配線 -> 数千円〜1 万円

ところが，お勧めされた工事は，

フレッツ・テレビの導入＋ 2 台の配線工事 -> 工事費 2 万円台後半 + 月々 682.5 円 (フレッツ光は利用中)

仮に 20 年使うとして，20 年間の支払い総額は前者だと約 1 万円のところ，後者は約 18 万円にもなる．

フレッツ・テレビ，ケーブル・テレビの詐欺的営業に注意

地デジ対策としてのみ，フレッツ・テレビやケーブル・テレビに加入するというのは，特に事情がない限りコスト・パフォーマンスが一桁悪い．

「地デジ対策としてのみ」とは，映画やスポーツの専門チャネルを見たいのでフレッツ・テレビやケーブルテレビに加入するというのは正しい，という意味．また「事情」とは，例えば以下のようなものを指す．

集合住宅の規約や，賃貸の契約，美観上の問題によりアンテナが建てられない
地形や周囲の建物の形状の影響で，アンテナを建てても受信できない可能性大

電器店としては契約獲得のインセンティブがめあてではあろうが，「真に顧客の事情を考え，必要かつ充分な設備や工事の提案を適正な価格で行い，長期的によりよい関係を築く」というよりは，「顧客をカモにして目先の利益を得たい」という態度のように思える．

特に高齢者がこのような被害にあいやすいようだ．実家の地デジ対策がまだだ，というような方は，両親に事前に相談するよう釘をさしておいた方がよいかもしれない．

「NTT東日本 | フレッツ・テレビ | 映像サービストップ | フレッツ光」とか言われても，アンテナ建てるほうがトータルコスト一桁安いですよ…